技術は、いつも「デュアル・ユース」

 鍛冶や研磨の技を追求すれば、優れた包丁や日本刀を生み出す技術につながる。豊かな食文化に包丁は不可欠であり、日本刀は武器の歴史の代表だった。技術というのは、往々にして民生用にもなれば軍事用にもなり、二元的な使い方という意味においてデュアル・ユース (dual use) の特性を持つ。
 宇宙技術も例外ではない。生まれたときからデュアル・ユースである。輸送系の技術はその代表で、気象衛星を運ぶロケットにもなれば、核弾頭を搭載したミサイルにもなる。カーナビなど位置情報確認機能の心臓部であるGPSは、巡航ミサイルの誘導システムの流用である。
 軍事用と民生用は表裏一体であり、一方の技術が高性能化すれば、自動的に他方の技術も伸びる。ただし、その技術を軍事用として実用化するか否かは別問題である。しかしこれまでは、”表裏一体”で技術が伸びることが、すなわち軍事化であるかのように見られてきた。そのために技術を生み出すカがありながら、開発の範囲が限られていた。
2014年 おせち